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メモをとる
メモを取りたいという気持ちがあった。ただ、メモアプリとしておすすめされるものは結構鬱陶しい1。また、シンプルなのはいいが拡張性がなかったり見にくかったり、クラウドベース故に手元で開く速度が遅かったり編集がもっさりしたり通信容量を浪費したりするようなことが多く、結果として自分に最適なものを用意することを放棄してきた。
その結果、メモはiPadのgoodnotes5で雑に書き散らしたり、google keepに投げたり、LINEで一人部屋立てたり、Google Drive上にテキストファイルをおいたり、Xにpostしたりと、しっちゃかめっちゃかな状況となっている。
この状況をそろそろ改善したい(のと、論文や本をそろそろ把握できなくなってきた)ことから、「ちょうどよい」メモ機能を実現するものを探していた。
要求事項
- ローカルで使える
- データを手元に置きたいから。また、速度が速くなることを期待して。
- 機能の管理を自分でできる
- 多すぎたり少なすぎたりするといやなので。
- ファイル形式はなじみがあるもの
- 書きやすさの観点から。Markdown的な記法が使えると嬉しい。
- できれば無料・無償で
- ツールをコロコロ変える癖があるため、容易にやめられるようにしたい。
- 胡散臭くない
- 研究関連のメモをすることを考えて。大半のツールは胡散臭くないけど。
候補
上記要求に加えて、個人的にPKM(Personal Knowledge management)ツールや「第二の脳」と呼ばれるツールに興味があったので、これもキーワードに入れたりしていくつか検索した結果、以下のような候補が得られた。それぞれのツールに対して、雑な評価を行った。観点としては使い続けられそうか、使いやすそうか、を中心に先に述べたようなことを考えて書いている。
- Roam Research
- ❌ 有料。ちょっと高い。
- LogSeq
- ⭕ プラグインでなんとかなりそう。
- ❌ Android版がない。
- ❌ 何か使いにくい。
- Obsidian
- ⭕ プラグインでなんとかなりそう。
- ⭕ アカウントを作れと言われない。
- RemNote
- ❌ どことなくNotionっぽくてシンプルなのが嫌。
- WikiJS
- ❓ ファイルを安定的に管理できるのか特に不安。
- VPS上のDockerに建てる場合など。
- ❓ ファイルを安定的に管理できるのか特に不安。
……という、それぞれの開発者やサービス提供者に見られたら、使えば慣れるとか回避できるとか言われそうな雑な思いから消極的に(少なくともこれにベタ惚れ!みたいなことではなく)、試しに導入して使った中でObsidianが生き残った。
Obsidianを使う
Obsidianを使う方法に関しては、様々なウェブ記事、公式やRedditのフォーラムがあるのでそちらを参照してほしい。ここでは私個人の用を満たすために行った設定などを紹介する。
初期設定
- 上記公式サイトからデスクトップ版をダウンロードする。
- 日本語化し、フォントをお好みのものに変更する。
- テーマをお好みのものにする。
- コアプラグインを有効化する。
- 日誌(Daily Notes)テンプレートを編集する。
- 立ち上げ時に自動で表示される
- ファイル削除時の挙動を、
Obsidianのごみ箱に移動する
にする。- 後々の同期時の処理を容易にする。
- その他、公式ドキュメント等を読みながら自分好みにする。
- といっても基本的におかしいのは日本語フォントくらいなのであまり手直しする必要がないのはよい。
テンプレート
Obsidianを使いこなすにはテンプレート機能を多用することが望ましいとされる。実際、メモしたいことの大半は同じような形式のテンプレートに入れた方が楽である。
私は4つのテンプレートを用意している。
- base
- 何にでも使えるやつ。何にも使わないやつ。
- article
- 後述するZotero連携を利用する際のテンプレート。
# 書誌情報
著者:{{authors}}
年:{{date | format("YYYY")}}
**タイトル:{{title}}**
Zotero Link:{{pdfZoteroLink}}
---
# 課題・目的
# 方法
# 結果
# 考察
# 限界
# その他メモ
---
Tag #research
- book
- 後述するBook Searchプラグインを利用する際のテンプレート。
---
タイトル: {{title}}
著者: {{author}}
出版社: {{publisher}}
出版年: {{publishDate}}
ISBN: {{isbn10}} {{isbn13}}
cover: {{coverUrl}}
created: {{DATE:YYYY-MM-DD HH:mm:ss}}
updated: {{DATE:YYYY-MM-DD HH:mm:ss}}
---
![cover|150]({{coverUrl}})
# {{title}}
## 概要
## 知見
## 考察
## 課題
## その他メモ
- 所要時間
-
## 参考文献
## metadata
- 所有形態
- 購入貸借複写ダウンロード
-
---
Tag #book
- diary
- 日誌(daily notes)用テンプレート
{{date:YYYY年MM月DD日(ddd)}} {{time}}
---
# todo
- [ ] [[xx]]
- [ ] [[yy]]
# Calendar
```gEvent
date: {{date:YYYY-MM-DD}}
type: day
```
# やったこと
-
-
# 成果
-
-
# 持ち越し
-
-
# 考えたこと
-
-
# その他メモ
-
-
---
Tag #diary #todo
Google Drive
デスクトップだけでなく、出先などではスマホでメモを取ったり続きを書いたりすることになるので、同期機能は必ず必要であった。しかし、公式によるクラウドサービスは値段が高く、またファイルを預けることになるので抵抗感があった。そこで、ウェブ記事などを参照しつつ、Google Drive内にObsidianのフォルダ(Vaultと呼ぶらしい)を設けることとした。
- vaultをGoogle Drive上のフォルダにする。
- 前提として、デスクトップ版Google Driveを使用し、ローカルフォルダと同様にした。
- Android版ObsidianをGoogle Playからインストール
- Google DriveのフォルダをAndroidローカルフォルダと同期させるアプリを追加
- これはObsidianがローカルのファイルしか読まないこと、そしてAndroid上でGoogle Drive上のファイルは常にクラウド上のものとして扱われる(Sand Box内にある、という理解をしているがいいのだろうか?)ため、むりやりGoogle Drive上のファイルをローカルに同期させる必要がある為である。Googleが悪いと思う。
- AutoSync for Google Driveを利用している。今のところ不都合は生じていない。
- ただ、同期の設定を考えておかないとずれてコンフリクトが生じる(一敗)。あまり考えずにバックリンク2を生やすことにして別ファイルを作ってメモをする方が合理的。
コミュニティプラグイン
Obsidianの売りの一つは豊富なコミュニティプラグインである。様々なプラグインがあり多くのウェブ記事で機能やおすすめの紹介がある為、ここでは簡単に自分の追加したものを紹介する。
- Advanced Tables
- 表を美麗にする。
- あるとうれしいけどなくてもいい程度の働きをしてくれている。
- Auto Link title
- URLをベタ打ちしたときに勝手に
[title](URL)
形式に変えてくれる。 ctrl+shift;V
でベタ打ちができるので使い分けがしやすい。
- URLをベタ打ちしたときに勝手に
- Book Search
- おすすめ。コマンドから起動して、検索窓に書名を入れると書誌情報などを持ってきてくれる。
- 読書用templateを作成しておけば、自動的にファイルが生成される。HAPPY。
- ちなみにファイルタイトルは
{{title}}-{{author}}
で生成される(デフォルト、変更可能)ので、わかりやすい。
- Calendar
- 何の変哲もないカレンダー、ではなく、日付をクリックすると日誌テンプレートから自動で作成してくれたり、語数をdotで表示してくれたりと、少し便利にしてくれる。
- Checklist
- Checklist化したタスクをファイルを横断して集めてきてくれる。
- ToDoまとめページが容易に作れるし、自動で更新される。
- Dataview
- ファイル群をクエリで集めるなど、まとめたいときに役立つ。あまり使っていない。
- Excalidraw
- お絵描きツール。それらしい図が必要な時に使える。
- Google Calendar
- 最強。Notionの不満点でもある、Google Calendarを直接読み書きしたいという需要を満たす。
- なお、やっていることはGoogle Calendar APIを使った読み書き。Google Cloud Consoleを使ってサービスを立てる必要はある。APIのレートリミットが高いので結構自由にできる。
- TimelineをObsidianのサイドバーに入れたり、ファイル内に設置したりできる。
- diaryのテンプレートに利用。
- Zotero Integration
- 文献管理ツールのZoteroと連携し、書誌情報を読み取ってくる。
- ファイル名生成はZoteroのcitekeyを用いているので少し読みにくいかもしれない。
- ほぼノーストレスで論文読みも集約できるので大変便利。
今後の予定
実はまだショートカットを整理できていないのでよく使う機能から適当に割り当てて快適さを増したい。またWeb Clipperに相当するものも追加したがあまり挙動を理解できておらず、変なところもあるので直していきたい。